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アメリカ駐在生活 77日目 アメリカの社会時事 Eviction moratorium(立退猶予令)の終了

 

 

The national ban on evictions

expires today.

Here’s who’s most at risk

(全米での立退き禁止令が今日終了。

最もリスクにさらされる人とは)

 
 
こんちわ。たまには英語のニュースも読んでみようと仕事関連の記事をピックアップした。米国で長らく続けられたEviction Moratorium(立退き禁止令)についてのニュース。
 
米国に限らないが、2020年からのコロナパンデミックにより失職・収入減に見舞われた米国の人々が家賃を支払えず滞納が発生しまくっている(記事内の資料では米国全体の7分の1の世帯、約14.3%が延滞中)
貸主が強いことも多い米国の賃貸慣習下ではすぐに立退きになってしまうところだが、CDC(米国疾病管理予防センター)の施策により立退き禁止令(立退きモラトリアム)が発出され、今日まで何度か延長されてきた。同時に450億ドル(4.5兆円、$1=100円)の緊急家賃補助ファンドが設けられた。
2021年7月末をもってこのたびモラトリアムが終了することとなる。これから家を失う人々の数がめっちゃ増えますよ、
 
という内容の記事です。
 
Those funds were authorized in the last two major coronavirus stimulus packages, passed in December and March, and yet just $3 billion has reached households, according to data by the U.S. Treasury.
ちなみにこの家賃補助資金はまだ一部しか拠出されていないとこと。
 
ダントツの一位はミシシッピ州(29%)、続いてサウスカロライナ(28%)、ジョージア州(24%)と南部州の滞納率の高さが目立つ。黒人比率が高いことと相関があるんだろうか。(記事によると延滞世帯のうち黒人世帯の滞納比率はやはり高い)
それにしても滞納率の調査方法間違ってるんじゃないの?ってくらい延滞率高いな。
 

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記事より抜粋。各州の延滞率を表す。
 
 
私は仕事で米国の賃貸住宅投資案件の管理を担当している(PMではなく投資管理)。
 
運用中の物件は比較的高級な物件クラスであるため、居住者の属性も専門職などの高収入世帯が多く、この記事で言われているほどの滞納は発生していないものの、コロナ関連の滞納はやはりある。
 
ある滞納者がタチが悪く、せっかく用意された家賃補助金の手続きを全く進めてくれず大変困っている。
 
補助金申請すれば一時的とはいえ代わりに国が払ってくれるし、大家側にも迷惑をかけずしばらくアパートに住めるんだから申請の手間以外何もデメリットがないはずだが、放置されている状況(貸主と借主両社が手続きを進めなければならない)。
 
こんなルーズなやつが滞納したまま家賃数十万円のアパートに数か月住んでいられるんだからアメリカはなんと豊かな国であろうか。
 
プライベートで大家をしている自分としては勝手に鍵を交換して追い出すところだ。
 
しかし、この理不尽な状況もここまで。
 
やっと追い出しに着手できることになりそうでまずはホッとするところだが、マクロな話で言えば全体の7分の1だか10分の1だかの借家世帯が滞納しているということだから恐ろしい。
 
いったいアメリカという社会は豊かなのか、脆弱なのかよくわからない。
やはり均質な日本人社会から見れば極端なまでの2極化構造ゆえなのだろう。
 
中流以上の人々は日本人よりはるかに豊かだが、日本人以下の生活水準の人も山ほど存在している。
 
自身が住んでいるアパートの駐車場をみてもメルセデスアウディや高コストのバカでかピックアップトラック、テスラばかりとまっている(※郊外の低層アパートであり、新築だが決して高級物件ではない)。街中もそうだ。
 
アパート共用部は誰もいないにもかかわらず夜中も煌々と電気がついている状態で、有線やテレビも流れっぱなしになっている。一定以上のアパートにはプール・ジムも必ずと言っていいほど備わっている。貧乏性の日本人である私にしたらすべてがtoo muchすぎて吐きそうになる。
 
一方でこんな生活をしている人達も、ほんのちょっと景気が悪くなるだけで一気に生活が息詰まるような人々がいるんだなーと思うと本当に国民性の違いを感じますね。
 
日本人だったら、並み以上の収入があったとしてもここまで流動性の高い社会でこんなに思いっきりお金を使えないと思う(少なくとも僕は)
 
日本だったらいまだにメルセデス乗ってるだけで「この人リッチなんだな」と思っちゃうけどこっちだとプリウスばりに普通にいっぱいいるんだよね。
 
話はそれましたが、今後は勉強がてらにアメリカの社会事情をネタにしていこうかな。
 
以上現場からの独り言でした。