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奨学金と私 2

奨学金と私 1の続き

 

日本学生支援機構の貸与型奨学金の存在を知った私は、この制度を利用し学校に通うと親に伝えた。

 

親は「あ、そう。」という感じであった。正直な親の心境は、子がまた学生を四年間やるということで余分な金がかかり億劫だな、てなもんであった。

 

親は自身が大学に通っておらずマトモに社会に出た経験もないため、その教育コストをかける価値が理解できていなかったのだと思われる。

(もちろん世の中には、自身が大卒でないからこそ、その中で何らかの不利を被ったからこそ子にはマトモな学をつけてやりたいと思い必死で働き教育投資をしている方も沢山いる)

 

奨学金は最低額の「54000円/月」を借りさせて頂いた。半期毎の学費納入には20万円弱足りなくなるが、不足分はバイト代で補ってきた。

 

借りるのは簡単、返済は鬼大変だと予想できたからだ。

 

出費がかさみ学費の「積立が間に合わねー!」ときは治験のアルバイト(通称臨床モルモット)で短期間調達をしてきた(だいたい一泊18000〜30000円ほどの謝礼)。

 

結果的には奨学金を借りてまで大学に進学したことは正解だったと思う。おかげで有名ブラック企業(笑)に何とか入社することができ、ボロボロになりながらも毎年100万円ずつ年収をあげていくことができた。計400万円の学費は入社1年半で回収できた。こんなに割りの良い投資はなかなかないと思う。

 

奨学金という素晴らしい制度を考えた過去のレジェンド達に感謝したい。世の中には僕のようにやる気があるのに貧乏がゆえに、すぐに結果につながらない勉学を諦める人間が沢山いるのだ。

 

よく貧乏なら成績優良者になり給付型奨学金でももらうなり、負担の少ない国立に行くなり、いったん働き学費を貯めてから進学すればよいのではという意見がある。

 

ごもっともである。

 

きっとそれを実現する強者もいくらか存在しているだろう。

 

しかし一定レベル以上の貧困のさ中にいる多くの普通の人間にとって、上記のハードルを越えることは並大抵ではない。

長期的に合理的に考え進路を検討するための根本的な人生のインフラが整っていないのだから。まさに「貧すれば鈍す」な状態である。

 

私はそんな境遇の人達に役立てる奨学金という制度に恩返ししたいと思っている。偽善でなくて本心からそう思っている(ちなみに普段の私は街頭募金など絶対にしない派の人間である)。

 

無利息で貸して頂いた奨学金を倍にして返すというのが35歳までの目標だ。

 

奨学金、マジでありがとう。