久しぶりにアメリカっぽいことを書こう。
少し前に年間利率4.30%の口座を発見したので、ここに余剰資金を預けて運用していくことにした。
低成長国日本からきたピュアな日本人である自分にとって、元本保証で利率4.30%というのは驚愕のレートであり
「すげー!、、、、でもどうせいろんな制約があるんだろうな」と考えていた。
この商品のサイトをみてみると下記条件を売りにしていた。
- 年間利率 4.30% (日次複利計算ベースで4.2175%/年)
- 最低預入額の制限なし
- 預入期間の制限なし(※預けた期間日割りベースで利息を受け取る)
- 口座維持手数料なし(※アメリカの銀行では一定額以下の預金・一定条件を満たさない場合口座維持手数料が発生することが多い。しばらく口座にお金を入れていないと勝手に解約されるとかあるらしい)
High-Yield Savings Rate: 360 Performance Savings | Capital One
この口座は25万ドルまでの預金保護保険がかかっており、通常の銀行預金と同等元本は一定額まで保証されているそうだ(金融機関破綻時)。
デメリットというか縛りの条件としては、銀行側がすぐに預金が引き出されないよう、外部への1送金あたり$30のコストがかかるようになっている点と今後銀行の裁量で利率が変更される可能性があるくらいだ。
しかし随時の預金引き出しが制限されているわけではなさそうだ。
外部への送金手数料は1万ドル預けていれば1か月で1回送金の元が取れるコストなのでさして問題ではない。
これは何がなんでも試すしかねー。
いざ実践
私はこの好条件を知ったとたん迷わず口座開設の手続きをし、すぐに余剰資金をこの口座にぶち込んだ。
本当に利息つくのかなとちょこちょこ見ていると、どうやら日割りベースで毎月1日に利息が発生しており、計算してみるとマジで4.3%ベースで増えているではないか!
知識としてアメリカにはこのくらいの利回りが保証された金融商品はざらにあると知っていたがそれでもこの事実は驚きだった。
今は米国の高金利政策もありなおさら商品数は増えているのだろう。
考えてみればアメリカの長期債利回りは5%程度になっているのであり得る話である。
日本とのギャップ
それでも実際に米国で運用してみて、肌でこの利率を経験したとき、
自分の中では日本にいたときの社会前提がひっくり返ってしまい衝撃的であった。
これまで見てきた日本の金融機関の一般庶民向け金融商品は、
がちがちの預入れ条件や期間縛りを強いておいて利率は1%にも満たないのだ。
嫁が始めた某保険会社の学資保険はかなり長期の引き出しペナルティ期間があるにも関わらず、年利1%もなかったように思う。
"0.2%(年利ベース・3ヶ月だけ)の利息つきます!"
みたいな銀行のキャンペーンがあったときに預金が殺到していたニュースを見たことがあるが、アメリカの利率を知るとこの条件がショボすぎて本当に悲しくなってしまった。
アメリカは基本的にインフレしている社会なので、このような運用をしておかないとキャッシュの価値は日々目減りしてしまうため、考えてみれば当たり前の利率差異なのかもしれないが、
日本だって沢山輸入しているのだから実質は見えないところでかなりインフレ影響を受けているはずだ(=世界の物価上昇影響を受けている)。
加えて微々たる昇給しかなく、この昇給を追い越す勢いで社会保険料や年金などの実質的な税負担が年々増えていることを踏まえると、日本に上記のような手軽なインフレ対策となる資金運用方法がないことが地獄のように思えてくる。
給料上がらない、家に投資しても上がらない(一部のマンション除きたいてい下がる)、株に投資しても上がらない、ビジネスを起こすリスクは高い、しかし世界の物価上昇影響は受ける
少し前の日本はこんな社会だったのだ。この経済の部分だけを客観的にみると恐ろしい
世界にはまだ知らない有利な資金運用がたくさんある(はず)
伝えたいことは上記。
私は利率/利回りが高いから単純にいいこととは思わない。
リターンには常に相応のリスクが存在しており、このバランスがおかしいものはたいてい詐欺か犯罪である。
表面の数値だけをみずになぜこの利回りが実現できるのか?どんな仕組みでなりたっているのか?
を自分の頭で考え、計算し、リスクテイクすることはあらゆる投資において必須の基礎スキルである
日本はモノを生産する国から、過去の生産から得た富を使って投資益で潤う社会に移行していっている。
安く効率よく生産する、ではとっくに勝てなくなっているのだから。
また、日本は今後徐々にインフレを許容していく流れになるであろう。
上記のような国家トレンドを踏まえると、日本人は一般市民であってもお金の性質/科学についてより学習し、うまく資金をマネージしていくリテラシーを強化することが求められるステージに入っていくだろう。
世界にはいろんな投資機会があり、少しの経済知識と語学力、行動力があれば日本にはない有利な経済条件にアクセスできるということが今回分かった。
駐在を通じて今回のような米国の金融常識にアクセスできたことは感謝すべき経験である。
会社は嫌いだけど、この駐在の機会をくれたことには素直に感謝するわ。
そんなことを考えながら私は今日も思う
早く日本へ帰りたい。
おわり