20代のときの心の叫びである。
学生時代、就活で日本企業の募集要項(大卒文系)をみていると、上場企業全体のほぼ90%が20〜23万円のレンジに収まっていたように思う(肌感覚です)。
俗にいう平均年収で350万の企業も1000万円の企業も新卒初任給は似た水準であった。
入社後の昇給額で差がつくのだが、なぜこんなにも横並びなのか。
(ここでは大学新卒の給与水準をキリよく20万円という水準でまとめる)
「20万円」って、安くね?
なぜ伝統的日本企業の初任給水準は20万円なのだろうか。
こんな疑問をもったのは大学生時代働いていたとこで月給26万円くらいもらっていたからである。
これはいい給料だったと思うが、小資本の個人企業でもこれくらい払っていたのに、何故大企業が20万円しか払わないのか、
とシンプルに思ったから。
あまりに軒並み似たような水準なので、時々「初任給28万」なんて書いてあると逆に胡散臭くみえてくるくらい横並びである。
理由についてネットで調べてみると、
・顧客への配慮(初任給高くすると提供するサービスで相当儲かっていると思われてしまう)
・初年度は大した貢献をしない(と思われている)ため最低ラインの水準で設定してある。
・他の企業がそうしているからとりあえず足並みをそろえている
など、まぁぼやっとした理由が述べられている。
しかしここから分かるのは、
恐らく日本で独立した生活を営む上での
最低ラインが「20万円」くらいという何となくの共通認識がある
ということである。
20万円は額面、つまり総支給額である。ここから社会保険料、所得税、雇用保険料などを控除するとだいたい17万円程度が手取りになる。
これは多くの人が感じていると思うが、この額は本当にギリギリの水準である。
家賃/光熱費/通信費などのインフラコストを支払い、食費をさっぴき、ちょっとスーツを買ったり、外食レジャーを楽しむと一瞬でなくなってしまう金額である。
社宅、寮などがあればまだ幾らかマシだが、付き合いの多い20代下っ端会社員は、相当意識して生活しないといくらも残らない、「はした金」、それが月給20万円である。
この10年、初任給水準はほとんど変わっていない
恐ろしいのはこの初任給水準がここ20年殆ど変わっていないということ。
参考:
2000年 大卒初任給 196,900円(厚生労働省調査)
2018年 大卒初任給 206,333円(産労総合研究所調査)
18年でわずか4.79%の上昇である。
昇給額が上がっているのか、というと皆さんご存知の通りこれも殆ど伸びておらず横這い、また社会保険料の増加により実質手取りは減少という状況。
他の先進国にくらべても恐ろしいほどに伸びていない。
今の日本の平均的給与水準では、「健康で文化的な最低限度の生活」が送れない
今だにこんな低水準の賃金を受け入れている日本人の雇われ根性は半端じゃない(私も含め)。
ハッキリいってこんな給与水準で、また僅かな昇給額でどうやって家族を養えというのか。
バカにするにもほどがあるのではないか。
結婚する人が減るのは当然である。
この給与水準(世帯年収400〜500万円)で家族を持つと、日本における「健康で文化的な最低限度の生活」が送れなくなるのだから。
年収500万が大学を経て、全生活を捧げてやっと30歳頃に達成できる、これで大分マシな方なんて思い込まされている日本はおかしい、日本人は完全に洗脳されている。
平成も終わり
そろそろ日本人は真剣にお金を稼ぐ方法を考えるべきである。マネーリテラシーを高めなければならない。
いい子の皆さんいいですか、月給20万円は「普通」じゃないんです。
つづく